KANEYANの秋田ぶらり旅

KANEYANが秋田県内の各駅を回りながら綴るNONSTOP AKITA DIARY

#10【エロ自販機探索】【JR奥羽本線】「吉田輝星や佐々木希が愛した追分のディープなカレー屋さんと八郎潟の女子禁制の自販機」とは?

■現役のエロ自販機を探しに……

俺の青春は自販機にあった。

 

2002年。当時大学生だった俺は北関東のアパートに住んでいた。もちろん彼女はいなかったが性欲だけは人一倍旺盛だった俺の密かな楽しみは、夜中にこっそり近所のエロ自販機にエロ本やエロビデオを買いに行くことだった。今では信じられないが当時は月額300円を払ってガラケーの着メロをダウンロードし、Twitterやインスタはもちろん、mixiすら始まっていないアナログ時代である。

夜中に家を抜け出して自転車をかっ飛ばし、人目を気にしながら千円札を何枚か自販機に突っ込み、当時大ファンだったロリータ系AVユニット「minx」のメンバーだった「長瀬愛」や「堤さやか」のエロビデオ(当時の主流はまだVHSだった)を鼻血を出しそうになりながら購入し、そしてそれをバッグに隠して逃げるようにチャリを立ち漕ぎして家に帰った青春の日々。

 

あれから18年。気づけばVHSはもはや骨董品扱いとなり、あのとき夢中になった長瀬愛堤さやかは40代である。そして何よりわざわざチャリをかっ飛ばさなくても、スマホで簡単に無料エロ動画を見れるようになり、現物が欲しければAmazonで簡単に買える時代になった。

 

「あれっ、これって旅ブログじゃなかったの?」という突っ込みはひとまず置いておいて、何が言いたいのかというと、俺のしょうもない青春の日々に彩りを添えてくれたエロ自販機は秋田の各地にまだ存在しているのか、ということである。

なぜだかそれがとても気になった俺はネットを駆使して調べたところ、JR奥羽本線八郎潟駅付近の国道沿いに現役のエロ自販機が存在するということがわかった。マジっスか。マジだよ。俺はその真意を確かめるため、前回のブログで紹介した「土崎駅」の隣駅である「上飯島駅」から5駅先の「八郎潟駅」を目指す旅を決意した。ゴールはもちろん八郎潟の女子禁制の自販機である。俺は意気揚々とJR奥羽本線に乗り込み、今回の旅のスタート地点である上飯島駅に降り立った。

 

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 ■今話題のアンジャッシュ渡部・佐々木希夫妻も訪れたディープなカレー屋さんとは?

上飯島駅からはすぐに国道7号線に出られるのだが、そこにはモータリゼーションよろしく、圧倒的な車社会の光景が広がっていた。

 

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とりあえず昼飯難民になる心配はなさそうな街だが、歩いていると朝7時から営業しているラーメンショップを発見した。実は秋田には朝ラーの文化があり、朝っぱらから営業しているラーメン屋は珍しくない。まあ、個人的には朝っぱらから入れる立ち飲み屋があれば嬉しいのだが、残念ながらここは赤羽ではない。

 

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国道沿いは車で騒がしかったが、追分駅に向かうためひとつ路地を曲がると、途端に車どころから人も見当たらなくなった。

 

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近くにあった町内案内の古びた看板には個人名が並んでいる。個人情報保護が謳われている令和の時代に大丈夫なのだろうかと余計な心配をしてしまうが、なぜかこういった個人情報剝き出しの看板は秋田ではよく見かける。

 

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本日2つ目の駅「追分駅」に到着。駅近くには中国人もビックリの大量の自転車が並んでいる。

 

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実はここ「追分駅」は2年前の夏に甲子園で一世を風靡した金足農業高校の最寄り駅なのである。この大量のチャリンコも金足農業の学生のものだろうか。

 

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その金足農業を卒業し現在日本ハムファイターズの吉田輝星君も通ったと思われるカレー屋さんが近くにあるため、そこで昼飯を食べることにした。

 

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店内はお母さん2人で切り盛りしており、大量の漫画本が置いてある。看板には「カレー」「うどん」「そば」「さしみ」そしてなぜか「チャーシュー」と書かれており全く統一性がないのだが、どうやら基本的にはカレー屋さんのようである。俺は迷った挙句、珍しい「猪カレー」をオーダーした。あまり頼む人がいないのか、店員のお母さんが驚いていた。

 

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ご飯を埋め尽くすほどの大量のカレーに、サービスのコロッケ、そしてサイドに無理やり添えられたサラダたち。なかなかのボリュームである。肝心の猪の肉は癖がなく豚肉と言われても気づかなそうだ。だったらもはや半額以下のブーカレー で良かったのではないか。俺はメニューのチョイスが下手なのである。

 

店内には有名人のサイン色紙が並べられていた。吉田輝星君やアンジャッシュ渡部・佐々木希夫妻、ロケで訪れたと思われるバナナマンやなぜかEXILEのメンバーの色紙も並んでいた。

 

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 ■まるでグラビアアイドルみたいな駅とは?

がっつりカレーを食べて腹がパンパンになったところで、目的地のエロ自販機を目指して旅の再開である。奥羽本線の下りの電車で北へと進み本日3つ目の駅「大久保駅」に到着した。大久保駅は5年前の2015年に改装されたようで小綺麗である。

 

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天気が良かったので、ここから次の「羽後飯塚駅」までは歩くことにした。先ほどのモータリゼーションよろしくの国道とはうってかわって、奥田民生の「さすらい」が似合いそうな一面田んぼの田舎道である。

 

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程なくして本日4つ目の駅「羽後飯塚駅」に到着。この駅も2016年に改装済みのようだ。先ほどの大久保駅とこの羽後飯塚駅潟上市に位置するのだが、駅が奇麗なせいか街全体が奇麗に見える。他の街を引き合いに出すのは宜しくないが、このブログの前半で訪れた大館市あたりの退廃した雰囲気は感じられない。同じ秋田の田舎の街でも特色は異なるものである。

 

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ここから次の駅までは2キロもないため、再び歩くことにした。奥羽本線に沿って歩いていくと、潟上市を抜けて南秋田郡井川町に突入した。

 

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本日5つ目の駅「井川さくら駅」はまるでグラビアアイドルみたいな駅名だが「人名じゃないのかよ!とツッコミたくなる駅名ランキング(2018年)」において1位を獲得したようである。正直めでたいのかそうでないのかは謎だが、駅自体はこのユニークな駅名をもろに意識した造りとなっている。

 

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時刻は夕方15時半。11月の日没の早さを見くびってはいけない。17時前には陽が落ちる。ある程度の目星はついているものの、知らない街で暗闇の中エロ自販機を探すのは容易ではないため、俺は急ぎ足で井川さくら駅から奥羽本線に乗り、本日6つ目の駅にして目的地である「八郎潟駅」へと向かった。

 

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■八郎太郎伝説のまちにエロ自販機はあるのか?

駅に堂々と「八郎太郎伝説のまち」と掲げられているが、もはや八郎太郎のその伝説とやらに興味を示す人間がこの世に存在するのだろうか。まだ大舘の「ハチ公の故郷」や能代の「バスケットの街」のほうがピンとくる。いきなりエロ本の自販機を探しに来たオッサンにディスられた八郎太郎は不憫ではあるが、残念ながら彼に観光客を呼び寄せるパワーは1ミリもないと言わざるを得ないところが、同じ秋田県民としても心苦しいところである。

 

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駅前は商店街となっており旅館もあるため、一応観光客も受け入れる体制は取っているようである。

 

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ネット情報によると女子禁制の自販機は国道に面しているようである。八郎潟のスケベボーイ&スケベダンディが家をこっそり抜け出しドライブがてらそこに集うのだろうか。興味は尽きないが、先ずは国道に出ることにした。

 

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国道に出てひたすら真っすぐ歩く。エロ自販機に向かってチャリを漕いでいたあの日から18年。いつの間にか俺は大人になっていた。ぶっちゃけ自販機で買うよりもスマホでエロ動画を見たほうが手っ取り早いし、どうしてもDVDを見たければTSUTAYAに行ったほうが品揃えも豊富だということを知っている。だがそういうことじゃない。俺は、俺の青春に決着をつけたいのだ。

 

ネット情報によると、もうすぐのはずである。俺は国道を歩く。あっ、あれはもしや。あれ。あれれ。ちょ。ちょ、まてよ。

 

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たしかにその場所に俺の青春が存在した形跡は見えた。だが残念ながらすでに撤去されているようだ。

 

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マジっスか。マジだよ。俺の青春の象徴とも言えるエロ自販機はネットの普及と昨今の様々な条例により、完全にこの世界から消されてしまったのだろうか。悔しい。悔しいよ俺は。八郎太郎はきっとそんな俺を笑っていやがる。チクショー、俺の青春はまだ成仏できてやしないぜ。つーか、このオチはないってばよ。

 

だが俺はあきらめない。きっとどこかに。秋田のきっとどこかに俺を待っているエロ自販機があるはずだ。それを信じて俺は旅を続けるのだ。

 

さて、今回は想定外のオチとなってしまったKANEYANの秋田ぶらり旅。だがここでへこたれているわけにはいかない。ひとまず八郎太郎の伝説のまちに別れを告げて、次回はさらに奥羽本線を進んで秋田屈指のマニア向け温泉・森岳温泉郷を目指してみようか。

 

続く。