KANEYANの秋田ぶらり旅

KANEYANが秋田県内の各駅を回りながら綴るNONSTOP AKITA DIARY

#11 【エロ自販機探索】【JR奥羽本線】「ついに出会えた八郎潟の女子禁制の自販機と秋田屈指のマニア向け温泉・森岳温泉郷」とは?

■ついに出会えた我が青春のエロ自販機

八郎潟にエロ自販機は存在していた。

 

前回のブログを更新した後、改めてネットで秋田のエロ自販機情報を探していると、あることに気がついた。

 

そう、最上もがは未婚のままシングルマザーに……じゃなくて実は前回のブログで「八郎潟のエロ自販機は撤去されていた」と書いたのだが、どうやら俺が場所を間違えていたようで、現在も八郎潟駅近くの国道沿いに現役のエロ自販機がしっかりとそびえ立っているようである。マジっスか。マジだよ。その真意を確かめるため、18年前チャリを必死に漕いでエロ自販機を目指したあの時と同じテンションで俺は再び奥羽本線に乗って「八郎太郎の伝説の町・八郎潟」へと向かった。

 

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駅から国道に出て、俺の青春の自販機を目指す。

 

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既にエロ自販機は負の遺産として、簡単にモノをゲットできるネット社会や頭の固い行政にいつの間にか葬り去られてしまったのか。数日前、俺は本気でそう思い愕然とした。だが実際は違った。そいつは確かに生きていたのだ。

 

「エロ自販機見つかりましたよ」

 

駅から歩くこと15分。どこからともなく「嗚呼!バラ色の珍生」における往年の島田紳助師匠のような優しい声が聞こえ、俺はそいつと18年ぶりの再会を果たしたのである。

 

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俺は息を殺しながら「おもしろ館」の中へ潜り込んだ。そこに広がっていたのは紛れもなく夢にまで見た大人のパノラマである。

 

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この令和の時代にそいつは凛と立っていた。まるで全盛期のお父さんの下腹部のそいつのように。って、今は真昼間だ。人は来ないだろうな。

ちなみに値段も1000円から2000円と良心的である。個人的には「教えてビッグダディ!!林下清志のHow to SEX!!」が気になった。少子化問題が顕著なここ秋田でビッグダディの子作り術は見習うべきである。

 

エロ自販機はたしかに存在していた。

 

八郎潟のエロ自販機「おもしろ館」はネット社会にも青少年育成条例にも街中のTSUTAYAやGEOにも媚びない昔気質のエロ侍のような風貌で今日もスケベな俺たちを待っている。

 

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無事にエロ自販機と再会できたところで、次は昼飯である。俺は近くのラーメン屋に立ち寄った。

 

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人生で初めて食べたミソ納豆ラーメン。感想はもはや「味噌ラーメンに納豆をぶっこんだような味」だが思ったよりも食べやすい。味噌と納豆。大豆に大豆をぶっこむという斬新なスタイルがここ八郎潟では受け入れられているようである。

■晩秋の森岳温泉郷を目指す奥羽本線の旅

腹が膨れたところで晩秋の風に俺の納豆臭い息を交差させながら、奥羽本線の旅の再開といこう。今回は八郎潟から3駅先の森岳駅を目指す旅を算段した。実はこの森岳は温泉地である。秋の残り香を感じながら温泉に浸かるのも悪くない。まずは八郎潟の隣駅「鯉川駅」へと向かった。

 

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朝の情報番組「スッキリ!!」でお馴染みの橋本五郎さんの故郷でもある鯉川駅は林に囲まれており、今にも小動物の一匹でも出てきそうな雰囲気である。

 

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少し歩くと林を抜けて国道に出る。ここからは国道を歩きながら、本日3つ目の駅「鹿渡駅」を目指すことにした。

 

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商店街を進んでいくと突き当りにひときわ大きな建物が見えるのだが、どうやらそれが鹿渡駅のようである。

 

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一応観光地の類に入ると思われる八郎潟森岳温泉に挟まれた鹿渡駅は、勝手に無人駅と想像していたが、駅舎はコミュニティ施設「青春館」と併設しており、なかなか立派な建物である。

 

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鹿渡駅で切符を買い再び奥羽本線に乗って本日の目的地である森岳駅へと向かった。

 

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森岳温泉郷は駅から数キロ離れており、バスもほとんどない。また歩きか。心の中で小言をこぼしながら徒歩で森岳温泉郷を目指す。こんなに歩きながら旅をしているのは俺か伊能忠敬ぐらいではないだろうか。

 

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 ■マニア向け観光スポット「丸富ホテル跡」と「カッパの足湯」とは?

20分ほど歩くと森岳温泉郷の看板が見えてきた。森岳温泉郷は今年リニューアルされたばかりの「カッパの足湯」が観光名所のひとつのようであり、案内看板にもしっかりと記載されている。紅葉を見ながら足湯なんてのも、なかなか粋ではなかろうか。

だがカッパの足湯は別名「恋人たちの聖地」とも謡われている。カップルが浸かっている足湯に割って入れるほど俺のメンタルは強くないが、幸いこの日は平日である。コロナの影響もありそれほど混んでいるとは思えない。まずは現地に向かい様子を見てみようか。

 

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この段階では、多少なりとも森岳温泉郷の風情というものに期待していたのだが、温泉街が近づくにつれて徐々にきな臭い雰囲気が漂ってきた。

 

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まず温泉郷の入り口で待ち受けていたのは木々に埋もれた丸富ホテルの看板である。以前はここ森岳温泉郷にて繁盛していたようだが、現在は既に廃業済みである。その丸富ホテルの残骸がまるで怨念のように温泉郷の玄関にへばりついている。

 

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廃墟と化したレジャー施設にひと時の英華の香りが僅かに残る。秋田県山本郡三種町に宿る光と影。間違えても「まっぷる秋田」には載せられない姿がここにはある。

 

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森岳温泉を更に進むと、現在の温泉郷の中心と思われる「森岳温泉ホテル」が見えてきたが、すぐそばには丸富ホテルが取り壊されることなく現存している。森岳温泉郷は過去と今がひとつの街に共存しているようだ。

 

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以前訪れた大館市大滝温泉の衰退ぶりも目を見張るものがあったが、森岳温泉郷の街並みもそれに匹敵するほどのパンチ力である。ただ大滝温泉とは異なり森岳温泉郷には現役の温泉施設や飲食店もいくつか存在し、観光地としての面目を保っている。

 

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温泉街を進んでいくと、ここ森岳温泉のシンボルでもある「カッパの足湯」が見えてきた。

 

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森岳温泉郷までの道中、カップルがいたらどうしようなどと考えた俺のお花畑のような頭にチョップを食らわしたい。森岳温泉の観光名所にして恋人たちの聖地は、周りに散りばめられた三角コーンのおかげで全く風情もなく、恋人たちの代わりに黄色いヘルメットをかぶった土木作業員のお父さんが、いぶかしげな目で俺を見ていた。

 

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もはや三種町観光協会の暴徒に近いシュールなデザインを目の当たりにした俺は、ただただ苦笑いを浮かべてそそくさとその場を退散するしかなかった。

 

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■温泉に浸かり地元の酒場で一杯

気を取り直して温泉にでも浸かろうと森岳温泉ホテルに立ち寄った。GoToキャンペーンの影響か、館内は意外に混雑しており泊りのお客さんも多い印象である。

 

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国内屈指の強塩素の温泉に浸かった後は、やはり酒である。今宵は森岳温泉ホテル近くの居酒屋で締めることにしよう。

 

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お店はお母さんがひとりで切り盛りしているようで既に常連と思われるお父さんが相撲を見ながら、一杯始めていた。俺もトントロ焼きをつまみに酒を進めながら大相撲中継を眺めているとまた別の常連さんも合流し、賑やかになってきた。

 

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隣の常連さんの話を盗み聞きしながらレモンサワーを飲んでいると、店主のお母さんがごま煎餅をくれた。トントロ焼きとごま煎餅をレモンサワーで流し込みながら、今宵も夜が更けていく。

そう、カッパの足湯には度肝を抜かれた俺だが結局良い雰囲気の酒場で旨い酒を飲めればそれで満足なのである。

 

さて、今回は無事にエロ自販機と再会することができたKANEYANの秋田ぶらり旅。晩秋の冷たい風に吹かれながらひとまず秋田屈指のマニア向け温泉・森岳温泉郷に別れを告げて、次回はさらに奥羽本線を進んで恋文の街・二ツ井を目指してみようか。

 

続く。